2012年10月23日火曜日

辰野町の双体道祖神 (10) (辰野町小野)

『枕草子』に「里は…」で始まる段がある。
  里は、逢坂の里 ながめの里 睡覚の里 人妻の里 憑めの里 夕陽の里 妻取の里。云々…(以下略)
その「たのめの里( 憑めの里)に擬せられているのが、上伊那郡辰野町と塩尻市とにまたがる「小野の里」。
  JR中央線「小野駅」から歩いてしばし、三ツ辻の傍らトタン壁を背にして古そうな双体道祖神があります。三ツ辻の真ん中には大きな石の地蔵様を安置したお堂がありました。
  これより、木曽に向かう道に入ります。
「藤澤」という集落 の道祖神場で見受けた、祠型の道祖神。窓から外をうかがうような姿が愛らしいですね。
  ここから、飯沼の中村という所に出ます。
中村の公民館の三叉路を木曾方面に入り少し行くと、道脇に馬頭観音の文字碑と並び立っています。
  上部に注連飾りと思われる装飾。文政7年(1824)の建立。
  
中村の道祖神からさらに木曽に向かう道を行きます。案内板には「古中仙道」とありました。辰野の最後の集落「山口」の木曽寄りのはずれで仲良く寄り添う双体道祖神です。
  

2012年10月14日日曜日

蚕神様 ②(辰野町川上・宮木)

  長野県上伊那郡辰野町川島の川上という集落に、写真のような蚕神様の騎馬像がある。この像については、上伊那郷土研究会という会が出版している 『伊那路』という雑誌の平成18年5月号に、赤羽篤さんの論文があり詳しいが、像に昭和11年の銘があるという。像の周囲が植え込みで覆われていたので確認できなかった。

こちらは、川上よりも辰野の中心部に近い宮木という所。JR飯田線の宮木駅の近く、国道153号線沿いにある宮木諏訪神社境内の蚕神様。蛾と繭と桑の枝葉が大きく図案化されて彫られている。
  

2012年10月10日水曜日

辰野町の双体道祖神(9)

国道153号線宮木信号の脇、『上伊那郡誌』によれば「宮木青年会館」とあります。
  上部に日・月が刻まれ、女神が酒器、男神が盃を持つ祝言の形の双体道祖神です。
こちらは、その近く諏訪神社の参道入り口にあった双体道祖神。男神の持ち物は判然としませんが、女神は鈴のようなものを持っています。上部に日・月、向かって左横に「国土安寧」の文字が刻まれています。
  いずれも明治の頃の建立でしょうか。