馬頭観音 『図説佛敎語大辞典』によると、
六観音、八大明王の一つ。忿怒形の観音で、姿形には人身馬頭のものと、人身で頂上に馬頭を頂くものとがある。忿怒形を現して諸々の魔性を滅する観音として尊崇される。
とある。
路傍に祀られる馬頭観音には「忿怒形」のものはあまり見られない。その多くは、穏やかな表情をし、合唱印を結ぶ観音様である。
かつて、荷役の手段は「馬」によるものがほとんどだった。特に、農家にとって、馬は家族以上の存在でもあった。馬の安全や旅の安全を祈り、また、死んだ馬の墓碑として、また、供養塔・記念碑として「馬頭観音」を路傍に建てた。
写真は、伊那市青島地籍の諏訪社の辻に建てられている「馬頭観音大士」碑と馬頭観音像です。盗難除のためか、ほぼ3分の1が地中に埋められています。