2011年3月24日木曜日

芭蕉句碑(紀元2601年)

長野県伊那市に「はびろ道」という、古くからの信仰の道がある。これは、旧伊那街道の坂下の辻から、西箕輪羽広にある仲仙寺という天台宗のお寺までの道であるが、基点から寺まで一丁ごとに丁観音あるいは丁石が道しるべとして置かれている。
よろしければ、 http://www17.plala.or.jp/jincya/habiromichi.html  をご覧ください。数日その石仏の写真を撮りに歩いていたのだが、36丁目の大萱というところに、写真のように見るからにどっしりとした芭蕉の句碑がありました。
句は 『奥の細道』の中の「野を横に馬引きむけよ時鳥」 というものです。句の意味は、「広い野を横切って時鳥が鋭い声で一声鳴いて飛び去った。その声のする方へ、馬の首を引き向けなさい!」とでもなりますか。
それはよいのですが、私が驚いたのは碑の裏の紀年が「紀元2601年」となっていたことです。西暦で言うと1941年です。
「紀元」というのは「皇紀」ともいい、神武天皇が即位された年を始めとしてその2600年目に当たる西暦1940年に国をあげて祝賀記念行事が行われました。世をあげて軍国の中にあった時代です。
ちなみに建立者は、「蕉風会」とありました。
1941年は、昭和16年。長引く日中戦争を引きずりながら、日本がアメリカ・イギリス・オランダに対して開戦を決定した年でもあります。
何とも考えさせられてしまいました。

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